220 x 280mm | 128頁 | 上製本
寄稿:神山亮子
デザイン:鈴木 聖
発行: T&M Projects + ShugoArts (2021年3月)
ISBN:978-4-909442-18-5
「A Hundred Flowers」描き下ろし作品付特装版
近藤本人は本書のために特別に1枚ずつ描き下ろしたアクリル絵具による花の作品100点を特装版「A Hundred Flowers」として限定発売
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「ここにあるしあわせ」は「ただそこにあるというしあわせ」。
この世にカタチがなくても、何かが存在している、そして存在したという痕跡が私達の側には沢山あると思うのです。それは人の魂の中に宿る温度や色彩のようなものかもしれません。
目には見えない記憶をたどって描き、描くことでまた記憶にたどりつく。
それらの全てがここにあるしあわせです。
─ ─ 近藤亜樹
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2019年冬から2020年春にかけて、近藤亜樹が故郷・札幌にて描いた50点の作品群「ここにあるしあわせ」。
近藤亜樹の大胆で伸び伸びとした筆致や鮮やかな色使い、ユーモラスで想像力を掻き立てるイメージの数々は多くの人の心を捉えてはなしません。その一方で近藤の制作は東日本大震災や身近な喪失の体験を経て、常に独自の死生観のもとに描かれています。「ここにあるしあわせ」のモチーフは、生を祝して贈る花、生を労われて贈られる花、彼方へ眼差しを放つ子供、重なり合う空のコップなど、他者と関わりながらも、個々に明滅する命の姿でもあります。如何なる状況下においても絵画から離れることなく、また悲壮な表現に甘んずることなく、今生きることを力強く肯定する作品を描き続ける近藤亜樹。今までは絵が生まれるスピードに時として自分の気持ちが追いつかなかったといいますが「ここにあるしあわせ」の制作を通し、生きることと描くこととが重なり合う実感を得るに至りました。
本書では、絵具の光沢や盛り上がり、たっぷりとした筆の流れ、重なり合う色彩など近藤絵画の特徴・魅力が紙面の上で充分に伝わるよう、熟考を重ねて印刷でも実現しました。また作品と対峙し、その喜びを感じられるような構成になっています。本棚にずっと置いておきたくなる、充実の1冊です。
展覧会情報(東京4会場)
シュウゴアーツ
2021年3月13日(土) ‒ 4月10日(土)
東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
火-土 12時-18時 日月祝休
フィリップス 東京
2021年3月13日(土) ‒ 4月9日(金)
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 4F
月-金 10時-17時 土日祝休
3月13日(土)のみ12時-18時オープン
現代芸術振興財団
2021年3月13日(土) ‒ 4月9日(金)
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 4F
会期中常時展示 *外廊下よりウィンドウ越しに見ていただく展示となります
代官山 蔦屋書店
2021年3月12日(金) ‒ 3月26日(金)
東京都渋谷区猿楽町17-5
年中無休 (営業時間はHPをご覧ください)
各会場の会期が異なりますので、ご注意ください。
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近藤亜樹(こんどう・あき)
1987年北海道生まれ。山形県在住。2012年東北芸術工科大学大学院を修了後、国内外の展覧会に多数参加。躍動感あふれる筆遣いと力強い色彩の作品とともに、油絵アニメーションと実写による短編映画「HIKARI」(2015)や、パークホテル東京の客室「おたふくルーム」(2015) の制作、音楽家とのライブペインティングなど、形式にとらわれない活動で注目される。2021年作品集刊行記念展「ここにあるしあわせ」を都内4会場で同時開催。
主な展覧会:「ここにあるしあわせ」シュウゴアーツほか(東京、2021)、「心に花を」シュウゴアーツウェブサイト(2020)、「高松市美術館コレクション+ 身体とムービング」高松市美術館(香川、2019)、「あの日を待つ 明日を待つ 今日」シュウゴアーツ(東京、2018)、「絵画の現在」府中市美術館(東京、2018)、「美藝礼讃―現代美術も古美術も」セゾン現代美術館(長野、2017)、「高橋コレクション・マインドフルネス 2017」 山形美術館(山形、2017)、「HIKARI」大和日英基金 大和ジャパンハウス(ロンドン、2016)、「HIKARI」シュウゴアーツ(東京、2015)、「近藤亜樹の生態」実家 JIKKA(東京、2013)、「アートがあれば II」 東京オペラシティ アートギャラリー(東京、2013)、「PHANTOMS OF ASIA: Contemporary Awakens the Past」Asian Art Museum (サンフランシスコ、2012)